バングラデシュの公務員の採用枠を巡る学生デモについて

お問い合わせや心配を頂いております現地の公務員の採用枠を巡る学生デモの件ですが、

昨日夜よりインターネットがつながり、工場のスタッフとも連絡がつきましたのでご報告いたします。

インターネットの速度が非常に弱い中ではありますが、工場は時短で営業しております。

 

事の発端は、独立戦争(1971年)の引退軍隊の家族に、公務員採用の優遇するという特別枠を3割設けていたのですが、2018年に廃止。

しかし今回のデモが始まる前、6月に高等裁判所が、その決定が違憲であると決定したことでそれに反対する学生運動が7月初旬に全国に広がったものです。

バングラデシュのGDPは2024年で212か国中、世界ランキング36位です。(日本は4位、マレーシア37位、香港39位)注意:1人当たりのGDPは136位。

今まで仕事を得られなかった女性や、学歴のない若者などがアパレル等の工場の仕事を持つことで、国のGDPが上がっている一方で、

大学などを出た若者が希望の仕事に就ける機会は少なく、今回の不平等の採用に対するデモが起きた状態です。

もう少し付け加えると、中流階級層の学業に対する意識は、幼少期から強く、厳しい学業の環境で実力で進学した者ばかりです。

優秀な若者たちが、今回のデモを起こした発端ではありますが、その周囲で政権争いや利権争いで政府と対立したことにより、より過激化し、

政府側も対処が誤ったことで大きなデモにつながりました。

 

今回インターネットが遮断され、15年前のような状況になりましたが、15年前とは異なり、現在社会活動のほとんどがネットで行われるバングラデシュでは、

こういう措置について現地の人は非常に不安に思ったようです。全国で学校は休業になり、ATMは勿論、食料を買いに外出することもままならない様子だったとのことです。

現在は、デモの要望通りになりましたが、亡くなった方が多数いる為、抗議活動が今後も行われるという懸念があり、現在は現地の言葉で

嵐の中、風が完全に止まった状態(またいつ雨が降ってもおかしくない状態)とのことで、以前として警戒が必要ということでした。

 

わたしたちの工場の従業員は徒歩圏内で工場に行ける者も多く、17時以降の外出は控えるように勧告されていますので、

時短営業をして17時までに帰宅できる体制を整えています。

今回のデモが必ずしも悪いわけではないのですが、命を落とした人も多くいる為、大変心が痛いです。

暑さも加わり、大変な時ではありますが学生だけでなく、政府側がどうか過激にならず、冷静に対応することを祈っております。

ご心配頂きメッセージを頂きましたが個別に返信できず申し訳ありません。ご報告とさせて頂きます。