バングラデシュを紹介します!
バングラデシュってどんなところですか?とよく聞かれます。
良くも悪くも、イメージがメディアで出来上がっていて、貧困とか、支援とか、暑い国とか、、、
人生の半分はバングラデシュとともにあるわたくしが、今回はバングラデシュの魅力に迫りたいと思います。
わたしたちの工場は、レザー工場なので、
ドンドンとハンマーをたたく音や、ドシーンとレザーをカットする音や、
ベチベチ何かを叩いている音が常にしています。
ミシンの音も鳴り響いていて、まるで音楽を聴いているような空間にいます。
でも、この空間が非常に好きです。
外ではビービーとセミのようなスクーターのクラクション音や
お~~いと何か物を売り歩く商人の声が常に響いています。
お祈りの時間になると、町中にアザーンという呼びかけがモスクから鳴り響き、
礼拝の時刻を知らせます。
工場には、アラームがついていて、
休憩時間になると、ジリリリリーンと大きな音がして、職人たちは一気に休憩になり、
工場の外に出ます。
すると、工場は一気に静かになり、この瞬間も非常に好きです。
この静かな時間にチャイを飲んだり、工場の責任者たちと、話をします。
お掃除の方が来て、工場のゴミを捨ててくれたり、
チャイを飲んでいるわたしたちのところにきて、色々気使ってくれます。
何となく、学生時代を思い出すのです。
休憩時間には、仕事中ではできない面白い話などをしたり、
とにかくリラックスして、次の仕事時間を待ちます。
ポツポツ職人が戻ってきて、電気がついて、夕方の作業が始まります。
すると、休憩時間まではゆっくりだったミシンの音がスピード感が出ていて、
一気に職人たちのやる気を付けます。
工場の中では仕事は非常にはかどります。
数年前でしたら、私たちの工場は田舎にあるため、電気が止まって、仕事どころではありませんでしたが、
現在はWIFIも完備され、電気が止まっても、ジェネレーターが作動します。
バングラデシュの面白いところは、どんなに怖い顔をしたおじ様でも、
皆ロマンティックです。
みんなピクニックが大好きです。
正直バングラデシュの都会に、魅力は感じませんが、田舎に行くと心をうっとりさせる風景に出会います。
上の写真は、マスタードが一面に咲いている田舎の光景です。
一面菜の花です。
バングデシュ料理には、このマスタードオイルをよく使います。
ピリリとさわやかな味がします。また、子供のころに、肌や髪に塗って、風邪をひかないように、体を強くすると喜ばれています。
ここは、私が1番好きなバングラデシュの場所です。
暑い夏だったせいか、そして都会の渋滞を避けるために裏道として通ったからか、
ここをリクシャという3輪車型の車で走った時、バングラデシュの緑深い自然にすごく感動しました。
自然が勝手にトンネルを作っていて、とても長い年月を感じました。
バングラデシュが独立してから、古い建物は壊されて、近代的な中途半端なビルだけが建ち並んでいるのをみて、
退屈していたので、このトンネルを知った時、バングラデシュのことがよくわかりました。
バングラデシュはモンスーンの影響を受け、雨季には大量の雨が降ります。
湿った風は、植物を育て、現地の人に話を聞くと、マンゴーの種を植えるだけで、
肥料なしに、勝手にマンゴーが育つというくらい土壌がいいというのです。
貧困国なんて言われていますが、砂漠や乾燥地帯に比べると、非常に豊かな土地で、
水や食べ物があるのは、この国の財産だと思います。
海側ではなくても、深い池や沼があちらこちらにあるので、
鯉やナマズなども豊富に取れます。
そして、日本と同じように稲作が豊富で、
世界で1番お米を食べているのがバングラデシュだそうです。
バングラデシュのローカルフードは、魚・豆のスープ(日本の味噌汁)・お米 なんですね。
田舎では自給自足で、牛乳をもらったり、ヨーグルトやチーズも作ります。
気候は沖縄に非常に似ています。
人々がおだやかで、時間もゆったりしています。
3月ごろになると、至るところで、マンゴーが実り、
子供たちは木に登ってマンゴーを食べます。下には沢山マンゴーが落ちていて、
それに見向きもしないほど、新鮮でおいしいマンゴーを食べ続けるのが、
少年時代の思い出だそうです。
バングラデシュのマンゴーは非常においしく、
私は、マンゴーの季節を目掛けてくる日本人と、ジョークにされたこともありました。
マンゴーの季節は非常に暑く、暑さとマンゴーの天秤にはかけられますが。
そのほか、パイナップルやさとうきび、沢山の南国のフルーツがとれます。
日本のメディアやビジネスが、”貧困のバングラデシュ”とイメージを作っている要因もありますが、
私個人の感想としては、賃金が安かったり、無理な労働をされたり、
お金の流れがどうしても、貧しい人から、お金持ちに流れる資本主義では、
バングラデシュの人々は、上手に利用されてしまっている反面もあるように思います。
バングラデシュには、人口の10%以上の人たちが高額税金を払っています。超がつくお金持ちです。
バングラデシュの海外製の課税率は200%なんてざらですが、日本のTOYOTAの車が90%シェアです。
日本の価格の2倍なんですから、信じられますか?
これから、こういった現地の人が、自分の国や政治を改めて、よりよい国作りをしていくのが、1番のベストな気がしています。
海外からの資本がはいると、どうしても立場が一転して、
資本を持つ人が援助をしているような構図ができてしまいますが、
本当は、こういった労働者のおかげで、彼らの財産が増えていっていることを、知った方が良いと思います。
1つの生産工場として、わたしたちは、バングラデシュの優秀な職人たちと、よりよい製品作りと、
人生をちょっと楽しめる毎日の工夫と、仕事の楽しさを感じながら、
ひとつづつ、物事を解決できる糸口を模索しようと思っています!
バングラデシュには沢山のレザーグッツ工場がありますが、こういった自然と、レザーワークの飽きない面白さは、
お国柄的にマッチしたんだなあと思います。
ずっと昔からあるドイツ資本のレザーグッツの工場から、枝分かれして、沢山の技術や感性をはじめはヨーロッパが確立させました。
今のバングラデシュのレザーのルーツは間違えなくヨーロッパから来ています。私たちもその恩恵をもらっています。
もし機会があれば、革製造工場のこともご紹介したいと思います!
最後の画像は、魚とりの網。
日本のなつかしい風景が見れるのも、バングラデシュの魅力の1つかもしれません。